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観光・産業

テイクアウト情報

そば処 あかふ

 おそば屋さんの天丼です。人気の「半熟玉子の小さい天丼」もおすすめ。

あかふ1

天丼(980円)

あかふ2

半熟卵の小さい天丼(380円)

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昭和村からみなかみ町まで絶景が続く長大な道、それが「望郷ライン」だ。

その望郷ラインと昭和村の玄関口、関越自動車道「昭和IC」から続く道が交差した村内屈指の立地に古民家風のきれいな建物がある。

その立派な店舗こそ紹介する「そば処 あかふ」である。

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立地、建物の内外の清潔感などが昭和村でもトップクラスのその店舗は初めてでもとても入りやすい。

駐車場が非常に広いのもポイントで、どんなに曲がった駐車でも全く迷惑をかけることはなさそうだ。

 

お店は11時から開店なのだが、開店前のほうがゆっくりお話しできるということで9時半ごろに伺った。

もちろんお蕎麦を仕込む時間なので、特別にその様子も見させていただいた。

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単純に回しながらこねているように見えて、だんだんと巨大な肉まんのようなものが出来上がっていくのが印象的だった。

ひだも均等についており、ある種の芸術作品のようにも見える。写真からもその様子を少し窺えるだろうか。

 

準備の邪魔をするのも申し訳ないので、早速お話を聞いていこう。

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赤城山の「ふもと」で住所も「赤城原」。

周りに畑が広がるとても気持ちの良い場所にあるのがあかふだが、実はその開店前に沼田で寿司屋を営んでいたという。

家はもともと昭和村にあり、先代がこちらに戻ってお蕎麦屋さんを始めたのがこのお店の始まりのようだ。

ちなみに石臼で自家製粉しているのが自慢であるといい、もちろん先ほど伝えた通りの手打ちそばである。

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お蕎麦屋さんから意外な言葉が出た!

まだまだ勉強中だというが、法事のようなコース料理だけでなくもっと気軽なパーティー料理のようなものもやりたいという。

デザートの方は現在もどんどん開発・提供中で、その甲斐あって若い女性客も増えてきたそう。

こちらはプリンなどすでに洋菓子の分野に足を踏み入れている。

蕎麦屋と若い女性が結びつくイメージはないが、それに反してメニュー開発によって新しい層の心もしっかりつかんでいるということで、

これは並々ならぬ努力の結果だろう。

パーティー料理も提供されたら同様に新しい層を取り込むおいしいものが期待できそうだ。

お蕎麦屋さんとイタリアンやフレンチ・・・どんな化学反応が起こるのだろう。今後が楽しみだ。

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蕎麦屋の二代目である眞下さんだが、実はそのまま蕎麦屋を継いだわけではない。

店を少し手掛けた後、より腕を磨くために旅館で修行することにした。

お店を続けるだけならきっとそのままでもできただろうが、より高みを目指すその決断は誰にでもできるものではない。

しかし、笑いながら話してくれたが板前の世界は本当に大変だったのだろう。

特に迷う様子もなくこの話を選んだことからもその苦労が伝わってくる。

お店を継いでからももちろん大変なことはあるが、それでものびのびとやれているという。

数々の挑戦もそれが表れた結果なのかもしれない。

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迷いながら歯切れ悪く出た答え。その割には核心をついている気がする。

おそらくここまで読んでくれた方も同意見だろう。

蕎麦屋を継ぐ上で高みを目指すために旅館での修行を経験し、料理の質を上げる。

それと同時にデザートという新たな分野にも挑戦して実際に新しい層を取り込むまでになっている。

その上でさらに新たな分野の料理をコースに取り入れようと勉強しているというのだから。

決して多くを語ることはない眞下さんだが、その行動と結果が彼の実直で努力家な様子を物語っている。

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こんな情勢では「来てください」と言いづらいが、それでも来てくれるお客さん1人1人を大切にしたいという。

あかふのお客さんは約半数が村外であるといい、新型コロナウイルスの影響で4月の売り上げはいつもの3分の1もないかもしれないという。

眞下さんがおいしい料理を作るのに常に全力を傾けているのは既に述べた通り。

こちらとしてもその料理を大事に味わいながら、眞下さんが料理に集中できる状況に戻る助けになりたいと思う。

 

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テイクアウトを始めたばかりの「天丼(980円)」をいただいた。

まずは天ぷらの内容をお伝えしよう。

「海老、舞茸、なす、玉ねぎ、かぼちゃ、いんげん」

と、6種も乗った贅沢な天丼である。

 

それでは、早速いただこう。

まず全体的な感想として・・・甘めのたれが絶妙!

お蕎麦屋さんにこんなことを言うのは当たり前すぎてかえって失礼かもしれないが、

コクがあり口に入れた瞬間は濃い目に感じるたれも後味は控え目で続けて食べたくなる味だ。

「玉ねぎ」のみずみずしい甘さはこの中でも際立っており、

他の天ぷらを食べる合間につまむことで互いに引き立て合うことができるだろう。

そして、「舞茸」こそこのたれと一番マッチしている具材である。

衣に染みたたれと香り高い舞茸の味が相互に引き立てあい、きのこ特有の食感もあって存在感は抜群だ。

「海老」はもちろんこのどんぶりの主役で、その上非常に大きなものが乗っているため豪快にいただくことができる。

あのぷりぷりした食感とたれが絡み合った衣を思い起こすと・・・比喩でもなんでもなくよだれが出てくる。

 

ごちそうさまでした!

全体的に、「さすが」としか言いようがない完成度だった。

語彙が追い付かず、拙い文章でしかお伝え出来ないのがもどかしいが、

とにかく一度ゆっくり味わって食べてもらい、それを思い出してまた楽しんでもらい・・・

ついでにインタビューの様子でおいしさに納得してもらい、と三度楽しんでもらえるとうれしい。

 

「そばのテイクアウトはないの?」

という方には道の駅の旬菜館でも売っている生そばをオススメしたい。

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つゆも販売しており、家でゆっくりあかふの味を楽しむことができる。

 

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インタビューにも誠実な様子が表れていた眞下さん。実はこの笑顔を引き出すのにも苦労した(笑)。

朗らかな様子ながら裏で苦労と努力を重ねて・・・いや、もはや何も言うまい。

背中で語る眞下さんの生き様に倣い、出されたその一皿を実際に味わうことでお店や人となりを理解して欲しい。

 

                                           訪問日:2020年5月20日 文責・伊藤

住所 昭和村赤城原下原306-3
電話番号 0278-24-7110
営業時間 11:00~16:00
定休日 木曜日
予約方法 電話予約(当日可)
備考 当面の間、14:00ラストオーダー

お問い合わせ先

〒379-1298 群馬県利根郡昭和村大字糸井388番地
昭和村役場
TEL:0278-24-5111(代表)  FAX:0278-24-5254

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